もしあなたがClaude(Pro/Max)を契約しているなら、たぶん使わずに眠らせている機能がある——“クラウドの上で動くAIエージェント”だ。ブラウザを閉じても仕事を続け、進み具合はスマホから見守れる。海外のあるユーザーが「これ、正しくセットアップしないと宝の持ち腐れだよ」と、実用的な使い方を公開して話題になった。鍵は、毎回のセッションに“自分の全体像”を教え込む、小さな「文脈リポジトリ」というアイデアだ。
01何が使えるのか(まず事実確認)
公式ドキュメントで裏を取ると、これは「Claude Code on the web(claude.ai/code)」という機能だ。AnthropicのクラウドでAIが作業を実行し、ブラウザを閉じてもセッションは動き続ける。そして進行状況は、Claudeのスマホアプリから確認できる。Claude Codeは有料プランすべてに含まれ、使用量は普段のチャットと同じ“共通の枠”から消費される。現時点ではリサーチプレビュー(Pro/Max/Team向けの試験提供)という位置づけだ。つまり——AIに作業を投げて、あとはスマホで見守る、が現実にできる。
02“ただ動かす”だけでは物足りない——鍵は「文脈リポジトリ」
ここからが投稿主の工夫。クラウドの新しいセッションは、毎回“まっさら”で立ち上がる。あなたのプロジェクトの構成も、いつものやり方も、前回どこまで進めたかも知らない。だから、その“オンボーディング(新人研修)”を自動化する小さなリポジトリを一つ用意する。中身はこんな役割分担だ。
- CLAUDE.md:全体の“地図”。どんなリポジトリがあり、どう関係し、どんな約束事・作業の流れで進めるかを書いた案内書。新しいセッションは、まずこれを読んで状況を把握する。
- サブモジュール(参照でひもづけ):作業対象のリポジトリを“参照”でつなぐ。コードは一切コピーしないので、この文脈リポジトリ自体は軽いまま。
- sessions/(作業ログ):各エージェントが終わる前に「何をやったか」を短く記録して残す。次のセッションは、ゼロからではなく“続きから”始められる。
- skills/(スキル置き場):あなたのスキル(定型の手順)は、放っておくとクラウドのセッションには付いてこない。ここに置いておけば、毎回のVMがそれを積んで起動する。
03コミュニティの実践知
同じ発想で自作している人が何人もいて、知見が交わされていた。
もちろん、いいことばかりではない。「接続済みと表示されていても、リモートのセッションがよく同期を失う」(u/Hefty_Fee_8805)という声も。投稿主自身も「セッションはときどき止まるし、長いタスクはプランの使用量を食う。だからタスクは小さく、確認しやすい単位に保っている」と率直に書いていた。
04つまり日本の読者にとっては
まず、すでにClaudeに課金しているなら、これは“見逃している無料の余力”だ。追加課金なしで、クラウドのAIエージェントを走らせ、スマホから見守れる。ソファでスマホ片手に、AIが数件の作業を進め、自分は差分(diff)を確認して時々質問に答えるだけ——そんな働き方が、もう手の届くところにある(ただし現時点は試験提供なので、仕様や上限は変わりうる)。
そして、Claude Codeを使わない人にも効く“転用できる教訓”がある。AIエージェントは、与える文脈の質がすべて。一回きりの指示で終わらせず、“引き継ぎ書(何をどうやるか)”と“作業日誌(前回どこまで)”を持たせるだけで、単発の作業が「積み上がっていく仕事」に変わる。この考え方は、どんなAIツールを使うときにも応用が効く。
始め方は、いきなり凝った自作ツールを作らなくていい。まずは小さな“文脈フォルダ”——CLAUDE.mdのような案内書と、簡単な作業メモ——から始めて、必要になったら少しずつ足していく。正直な注意点も忘れずに。同期が切れる・セッションが止まることはあるし、長いタスクは使用量を食う。だから“小さく・確認しやすく”。この距離感を守れば、スマホの中に、静かに働く自分専用のAIチームを持てるようになる。